生活習慣病
メタボリックシンドロームに代表される生活習慣病は、はじめのうちは全く症状がありませんから要注意です。これらのコントロールが不十分であると血管へのダメージは徐々に蓄積します。そして、ある日突然心血管系の重篤な合併症をきたす原因となります。併存疾患の有無や年齢によっても管理目標が異なります。合併症を起こさせないためにきめ細かいフォローが必要となります。
高血圧症
健診などをきっかけに指摘されることが多いです。はじめは無症状のため軽視されがちですが、脳卒中や心筋梗塞など心血管系合併症の最も重要なリスク因子の一つです。心血管系合併症を生じると著しく日常生活の質(QOL)の低下に繋がりますので適切な管理が必要です。なお血圧の管理目標は患者様の年齢や併存疾患の有無(腎疾患、糖尿病など)によって異なります。当院では毎日家庭血圧を測定していただき患者様にもご自身の血圧を知っていただくようにしています。
糖尿病
ごはんを食べると血糖値が上昇しますが通常は膵臓からインスリン(血糖値を下げるホルモン)が分泌され過度な血糖上昇を防ぎます。糖尿病になると必要なインスリン分泌ができなくなりからだは高血糖に曝される(糖毒性)ようになります。コントロールの悪い糖尿病は心血管系や腎臓、網膜(目)に重大な合併症を生じることとなります。
糖尿病の治療の基本は食事療法、運動療法ですが、必要に応じて薬物療法を組み合わせて良好な管理を目指します。薬物療法には内服薬による糖尿病薬とインスリン注射があります。なお併存疾患(心臓病や動脈硬化性疾患)の有無や年齢によっても治療目標や選択すべき糖尿病薬は異なります。
なお当院では食事療法、運動療法、内服による薬物療法で効果不十分な方やインスリンの新規導入が必要な方へはインスリン導入(教育入院を含む)目的で基幹病院をご紹介しています。
慢性腎臓病
尿検査などで尿潜血や尿たんぱくをみとめた場合は腎炎や腎症が隠れているかもしれません。特に糖尿病や高血圧症では腎臓の濾過装置(糸球体)が障害されます。するとおしっこの中に尿たんぱくが漏れるようになり慢性腎臓病に進展します。糖尿病や高血圧症などの基礎疾患の治療や食事療法(たんぱく制限食)は腎臓の保護の基本であり重要ですが、腎予後(腎臓の寿命)を伸ばすための腎保護薬(SGLT2阻害薬やフィネレノン)も積極的に導入しています。
脂質異常症
健診異常などで発見されることが多いですが無症状で放置されやすい疾患です。放置していると心血管系の合併症を生じる原因となります。食事療法や運動療法が基本となりますが、不十分な場合にはお薬が必要となります。冠動脈疾患や動脈硬化性疾患の有無などによって治療目標は異なりますので、おひとりおひとりに合わせてきめ細かくフォローをいたします。また若年者で年齢に不相応な高コレステロール血症や動脈硬化性疾患をみとめることがあります。そのなかには家族性高コレステロール血症などの遺伝性疾患が隠れているがありますのでしっかりと薬物によるコントロールが必要です。食事療法、内服薬でのコントロールが不十分な場合には注射による脂質管理が可能です。
高尿酸血症
いわゆる痛風の原因となります。他に痛風腎や動脈硬化との関連が示唆されています。食事療法で効果不十分な場合には薬物加療が必要となります。