循環器内科
臓は規則的に全身へ血液を送るポンプの働きをしています。このリズムやポンプ機能に異常をきたすと、息切れやむくみなどの様々な症状を生じることとなります。
これらの症状に心当たりがあれば、循環器疾患(心臓病)が隠れているかもしれませんので、循環器専門医にお気軽にご相談ください。
心不全
慢性心不全
おもな症状
息切れ、むくみ、呼吸困難、食思不振など
おもな原因
虚血性心疾患、弁膜症、不整脈、高血圧症、心筋症など原因は多彩であり心疾患の集大成ともいえる病態です。
こんな検査
採血、レントゲン、心電図、心エコー、呼吸機能検査など
こんな治療
①自覚症状をとる治療:利尿薬や減塩食、水分制限などで過剰な水分をとりのぞき、息切れむくみなどの自覚症状を改善させます
②心臓を保護する治療 :心機能に応じて心臓を保護する薬を導入します。
③原因の検索と治療 :心不全の原因となった基礎心疾患の評価、治療を行います。
※精密検査が必要な場合は基幹病院へご紹介します。
虚血性
心疾患
主な疾患
労作性狭心症、冠れんしゅく性狭心症、心筋梗塞
おもな症状
胸部絞扼感や労作時の胸痛
こんな病気
心臓を栄養する血管(冠動脈)に脂(プラーク)が付着し狭窄をきたし胸が痛くなるのが狭心症、不安定なプラークが破綻して冠動脈の閉塞、心筋壊死を伴うのが心筋梗塞です。また血管のけいれんによって生じる冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症は動脈硬貨リスクのない若年者にもみられることがあります
おもな原因
生活習慣病や肥満、喫煙習慣など
こんな検査
採血、(負荷)心電図、心エコーなど
※心臓カテーテル検査や心臓CTなど精査加療が必要な場合は基幹病院へご紹介いたします
こんな治療
①お薬の治療:抗血小板薬(血液をサラサラにする薬)、ACE阻害薬、β遮断薬、硝酸薬やリスクファクター(生活習慣病)に対する治療や禁煙サポート
②血行再建手術
※カテーテル手術や心臓バイパス手術などの精査加療が必要な場合は基幹病院へご紹介します
心臓
弁膜症
主な疾患
大動脈弁狭窄症、閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症
おもな症状
健診で心雑音、息切れ、むくみなどの心不全症状、胸痛、失神など
こんな病気
心臓の部屋と部屋を仕切る扉のことを弁と呼びます。弁機能に異常をきたすと徐々に開きにくく(狭窄症)なったり、閉じにくく(閉鎖不全症)となり主に息切れやむくみなどの心不全症状を呈するようになります。
おもな原因
加齢や感染症、胸のけが、心筋梗塞や生まれつきの心臓の奇形など
こんな検査
心エコー
こんな治療
適切なリスク管理と定期的なエコーでのフォロー
※手術適応となれば基幹病院へご紹介します
心筋症
主な疾患
肥大型心筋症、拡張型心筋症、心アミロイドーシス
おもな症状
心不全症状が主となりますが無症状でも心電図異常や胸部レントゲン異常などでみつかることがあります。
おもな原因
心筋症の多くは原因がはっきりわかっていません。そのため難病指定されており公費での加療対象となっている疾患もあります。
こんな検査
採血、レントゲン、心電図、心エコーなど<>br ※心臓カテーテル検査、心筋生検、心臓MRI、心筋シンチグラフィなどの精密検査が必要となるような時は基幹病院をご紹介します
こんな治療
心不全治療に準じた治療が基本となります。
※心アミロイドーシスやファブリー病などの一部の心筋症では有効性が証明されている薬剤がありますので精査が必要な場合は基幹病院をご紹介します。
下肢閉塞性
動脈硬化症
(LEAD)
おもな症状
歩行時の下肢の痛み、足潰瘍
こんな病気
足へ酸素や栄養を供給している動脈に脂(プラーク)が蓄積すると血管の狭窄をきたします。進行すると歩行時に足の酸素需要が増すために相対的な下肢血流不足(虚血)となり痛みを生じるようになります。歩行で増悪、休憩で改善するような症状(間欠性跛行)が典型的です。さらに症状が進行すると潰瘍を形成し下肢切断にいたることがあります。
こんな検査
ABI, 下肢エコーなど
こんな治療
①薬物療法:抗血小板薬:血液をサラサラにして血液の流れをよくします
②運動療法:安静にするのではなく、積極的に運動療法をおこないます
③手術:カテーテル治療、下肢バイパス手術
④リスクファクター(生活習慣病)に対する治療、禁煙サポート
※精密検査が必要な場合は基幹病院へご紹介します。
肺塞栓症、
深部静脈血栓症
おもな症状
突然の呼吸困難、胸痛、足のむくみ(片方だけが多い)
こんな病気
心臓へかえってくる血管(静脈)に淀みが生じ、血のかたまり(血栓)ができることがあります。血栓が生じた部位より末梢(足先の方)では血液は鬱滞(渋滞)を生じますので下肢腫脹をきたします。血栓が血流に乗って肺動脈につまると、肺塞栓症を生じ呼吸苦や胸痛の原因となります。
おもな原因
術後の長期臥床や寝たきり、長時間の座り仕事などがリスクとなります。まれですが遺伝的素因(凝固因子の異常など)で生じることがあります。
こんな検査
採血、心電図、心エコー、下肢静脈エコーなど
※造影CT, 肺血流シンチなどの精査加療が必要な場合は基幹病院をご紹介します
こんな治療
抗凝固薬(血液をさらさらにする薬)
循環器疾患で
基幹病院へ通院中の方へ
慢性心不全、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)、下肢閉塞性動脈硬化症、心房細動などの患者様は急性期には基幹病院での検査や治療、慢性期にはクリニックでの2次予防(病気を繰り返さないための管理)がとても重要となります。基幹病院とクリニックの“2つのかかりつけ医“をもっていただき、クリニカルパス(疾病ごとに検査や治療を標準化した計画書)を共有することで継ぎ目のない管理が可能となります。